サハラ砂漠マラソン250km 3日目
じわじわと身体に負担が積み重なって来てます。リタイアする日本選手も出始めて来て、隣にいるはずの奴がいない。これは寂しいです。リタイヤしてしまった仲間の分までレースに臨みたいと思うのです。
3日目のコースは37,5km
イラストを見れば凸凹した砂丘エリアが延々と続くようです。googleマップで後日確認してみても(上の写真)赤茶色の部分はパウダーのような砂のエリアです。フカフカの砂です。これがまた足腰に響く。山越えも一箇所あるみたいです。
レース3日目
朝ごはんの支度中ですが、ご飯食べられなくなってきました。特に米がダメです。米粒が重いのです。でも無理してでも食べなければ。無理やり口の中に押し込むけど入らない。
3日目スタート
スタートのときはみんな一斉に走り出す。アドレナリンも出まくりでハイ状態。
コスプレすればよかったと
ひそかに思った。アホになりきればアホパワーが湧き出てくるのではと思った。
あの山を越えるのかあ!
衛星写真で見てみると、山の標高の低いところをコースにしてあります。一応主催者も気を使ってくれているようです(笑)
ひたすら登る。
黙々と登る。上から岩が転がって来ませんように。
やっとで頂上
地平線の先にCP2があるらしい。気が遠くなる。
砂丘の尾根を行く
けっこうな高さがあるのですが、転んで落ちても大丈夫です。砂に潜って引っかかるでしょう。
顔がやばい。
目がいってるな。
危険な生物が出たらしい。
ジープの下にいたらしい。遭遇したくない。
食事を受け付けなくなってしまった
固形のものは厳しい。だけど食べなければくたばってしまう。無理してでも食べなきゃ。そう思ってカロリーメイトを口に入れたけど飲み込めない。仕方ないので水飲んで流し込もうとやって見たけど吐いてしまう。
ならば一粒入魂でアーモンドはどうだ! 一粒でカロリー高いぞ! 1個くらい目えつぶって飲み込んじゃえよ。
ダメでした。入りません。明日はオーバーナイトの80km。どうするか?
もうすぐゴール
どんなに苦しくともゴールは前にしかない! 一歩一歩歩いているのだから間違いなくゴールは近づいている。だから大丈夫だ。自分を信じろ。「あ〜腹減った」だけど食べれない!
明日の80kmに備えて
足はマメが8個です。歩くたびに激痛です。ロキソニンを飲みまくり。そして食事を受け付けなくなってしまった。これで明日の80kmをどう乗り越えるか?
もう脳みそもあまり働かないけれど、脳みそ振り絞って考えました。そして出た結論は
さらなる軽量化
思い切って捨てまくりました。
日本を出る時に装備は軽量化を目指しました。しかし何が起こるか分からない砂漠の事。いざという時のために余裕の物資も確保してました。しかしこれで本当のギリギリです。ギリギリで行くしかないです。
- 歯ブラシ> 歯磨かなくても死なない。
- アルファ米 > 日本にいる時は「やっぱ日本人は米だぜ!」と思ってアルファ米とカレーや牛丼の具など米食にこだわりました。だけど受け付けないのです。思い切ってこれらも捨てる事にしました。
- 着火剤、これも捨てました。
- ヒートテックの上下。テントで寝るのはあと2日。寒くても2日くらいなら何とか我慢できるだろうとこれも捨てました。
- コンロの風除け > チタン製で軽量の製品、お値段も高かったけどこれも捨てた。
カメラとバッテリー。これ捨てるか? マジで悩みました。二つで結構な重さです。ずっしり来ます。「これが無くなったら軽いだろうなあ〜〜」 でもこれは捨てませんでした。やっぱり記録に残したい。その思いが勝りました。
夜、テントを抜け出して一人砂漠の中に立ってみました。
天の川がきれい。星がふり注ぐって感じです。日本に帰りたい。そう思いました。